- 2006-01-19 (木) 15:45
- ホンの気持ち★読書
「常野物語」シリーズ最新刊。最初に出た「光の帝国―常野物語」の中に収録されている一編、「オセロ・ゲーム」の続編。

というより、「オセロ・ゲーム」は短編だからプロローグという感じで、今回の「エンド・ゲーム」が本編ということになるのかな。
だから、これをいちばんに読むと、なんのことやらさっぱり分からないかもしれない。
感想としては、「常野物語」の中では、かなりハードな話に分類されるのではと思った。「常野」の一族自体が「精神世界」をテーマにしているが、これまではかなり表に表れる人間模様が描かれてきた。
だから、どちらかといえば、SFに近いんじゃないか、という気がする。
だから、きっと好き嫌いが分かれるところだろう。
「裏返される」恐怖、過去のトラウマ、正体のわからない「あれ」。
まさに、「迷宮」という言葉がふさわしい。じっくりと読んでいくと、眩暈がするかもしれない。
以下、読んでいない人は注意。
「終わりの始まり」というのが、少し難しかった。
何かが終わっていこうとしている入り口にいる、ということはわかるのだけれど、何がどう終わっていこうとしているのか、これから何が始まるのか、どんな「厄災」が迫っているのか、最後までよく見えなかった。
もちろん、「裏返す」立場からしか見ていないわけで、それは主人公たちにとっては当たり前のことなんだけれども。
でも、なぜ、「終わりの始まりの雨」がわかったのかなあ?
(読み落としてただけかも)
きっと、恩田さんの中ではものすごく大きな「常野物語」の世界が出来上がっていて、その中で話が進んでいるのだろうな、というのが印象的。だから、読んでいる側には、やっぱり一部しか謎はわからなくて、手のひらの上にいるのかもしれない。
「洗濯屋」の話もからんで、イメージは混沌としている。でも、人間を無機質にしか感じない瞬間があるとか、人間の情緒的なある部分に反応するとかいう説明は、なるほど、と思った。
どんでん返しにつぐどんでん返し。ストーリーそのものが、裏返し、裏返される。
これがまさに「オセロ」の醍醐味に違いない。
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