- 2006-02-01 (水) 14:09
- ホンの気持ち★読書
三崎作品は、「となり町戦争」に続き、二作目。

以下、ネタバレ注意。
表題作「バスジャック」を含む、7つの短編。
作品ごとにまったくまとう雰囲気が違っていて、人によって好きな物語も違うだろう。
版元集英社では、特別企画として「お気に入り短編投票」などを行っているようだ。
個人的に好きなのは、表題作「バスジャック」、「動物園」。
心に響いたのは最後の「送りの夏」。
これらは、どれもが全くテイストの異なる短編だ。しかも、どれもがまさに帯にある「鮮やかなストーリーテリング」。
短編というのは、非常に難しいと思う。
たぶん、それは長さの中で収拾をつけることができないからだ。短く無駄のない文章でありながら、読者の心を動かす発想の豊かさが求められるからだろう。
そういう意味では、三崎亜記という人は、とても才能があると思う。
最も短い短編「しあわせな光」や「二階扉をつけてください」を読んだとき、ショートショートの名手、星新一を思い出した。
あらためて言うのも変だが、星新一ってすごかったんだな、と。
おや、話が逸れてしまった。
「送りの夏」は、透明な哀しみと共に胸に来た。
「誰かを失う」という瞬間は、本当に突然訪れる。
もしも、ゆっくりと別れを告げることができたなら…
たとえ、もう別れると分かっていても、それを受け入れる準備ができたなら。
それがわがままだと言えようか?
帯の読者の感想の中にあった「日常の中の非日常シチュエーション」。それが三崎亜記の真髄なんだろうな。
今後の作品が楽しみ!
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