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★読書。『うつくしい子ども』石田衣良

※ネタバレには注意していますが、未読の方は注意。

石田衣良さん『うつくしい子ども』を読んだ。
以下は本の画像。

うつくしい子ども (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋
売り上げランキング: 23522

————————–
ニュータウンで起きた9歳の少女殺人事件。
巻き込まれた14歳の少年の、過酷かつ
孤独な闘いの日々。
家庭、学校、地域、そして容赦ないマスメディア。
真実はいったいどこにあったのか。
なぜ殺人は起こってしまったのか。
そして、物語はどこへ行くのか……
————————–

文庫を買ったのだが、文庫裏表紙(あらすじ)の中に、

すでに事件の犯人が明かされているので、

最初から展開を知りたくない人は注意だ。

でも、ハードカバーの帯にも書かれていたそうだ。



題材が題材なので、買おうかどうしようか迷ったあげく、

その年齢の「少年の心」が知りたくて、買ってしまった(汗)。

 

「なぜ、そんなことをしたのか。意味がないなら、ないことを納得したい」

「誰かわかってやる人がいなくちゃいけない」

そんな主人公のけなげな想いが胸を突き、心を揺らす。

絶望することなく、淡々と自分の足で歩き続ける、ただそれだけのことが

どれほど大きなことか。

そんなに芯の強い人間は、大人にだってそういない。

ましてや、まだ中学生なのだ……。

彼に分かり合える仲間ができたときは、正直ほっとした。

それぞれに抱える心の葛藤と向き合いながら、少年たちはしっかりと前を向く。

 

「夜の王子」は、きっとたくさんいるだろう。

あちこちで、気づいてほしくて叫びをあげながら。

けれど、哀しい事件に結びついて初めて、そういうことがあったと大人たちは知るのだ。

あるいは、そのまま闇に葬り去られるのかもしれない……。

 

ストーリーそのものは、ラストの決着のつけかたがあまりにも急転直下、

ドラマチックすぎて少し不満はあったし、中学生の主人公があまりにも

「できすぎ」な感じもあったけれど、重たいテーマにずるずる引きずられていない。

だが、いじめのあまりの卑劣さには、同じ年頃の子を持つ親として、

読んでいてつらかったな。

そして、マスメディアの下品な攻撃も。

 

世間では、毎日のように事件が起きている。

被害者がいて、加害者がいて、それぞれの家族がいる。

もし、自分の身内が犯罪者になってしまったら?

東野圭吾『赤い指』『手紙』とはまた違う、ひとつの家族の姿がここにある。

 

以下、筋とは関係ないけれど心に残ったセリフ。

 

「物を見るときは距離が大事だ。近づきすぎても、遠すぎても見えなくなる。

 自分の焦点距離を大切にな」

 

 

 

タグ: review, 石田衣良

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Comments (Close):2

美月 08-10-31 (金) 16:18

む、おもしろそうだなー。
14、15あたりの内面を書くのがうまいんだよね、衣良さん。
帯と裏表紙を見ないようにすればいいのね(^^;

ちゃいむ 08-10-31 (金) 17:25

>美月さん
作者は別にそれ(最初から犯人がわかっていること)を
何とも思っていないらしいので、こだわる人でなければ
知っていても、どうということはないんだけどね。
でも、それを読んで買おうかどうしようか、よけい迷った。
図書館のハードなら、きっと帯はないじょ(笑

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